希望を抱き続けて
中条病院・中条第二病院 統括院長 須賀良一

 10月23日の地震により中条第二病院は、一階部分の柱八本がひび割れ・崩落するという状況に、中条病院においても壁や床のひび割れ等あり、使用不可能となりました。

 中条病院、中条第二病院の患者様240名は、老健施設「きたはら」へ一次避難し、その後中条病院の患者様のうち、重傷者5名はけいなん総合病院に転院していただき、その他の患者様はきたはらの会議室・ホール・廊下にて入院を継続。応急修理後、11月8日に中条病院に戻ることが出来ました。被害が大きかった第二病院の患者様約一四〇名は、翌24日・25日に県内各地の精神科病院へ転院していただき、現在もそのほとんどの方が戻れずにいる状態です。
 震災後、老健施設「きたはら」の二階のボランテイア室と倉庫にて外来診療を、会議室を十四床の仮設病棟としてやってきました。12月13日からは新たに旧精神デイケアセンターを28床の仮設病棟とし、計42床の病床を使用しています。現在は村上等、県北の遠い病院に転院されていた患者様の中から戻っていただいた16名と、震災後の病状悪化により入院された26名の計、42名の方が入院されています。
 12月に建物の被害状況、及び修復の為の調査、1月に国の査定を終了し、現在修復工事に入っております。四月半ばには元の状態に戻り、患者様に戻っていただける予定です。

 築三十七年という古い病棟ですので、出来れば新築移転が望ましいのですが、厚生連は他の5病院も損害を受け、現在資金難にあり、とても新築出来る状況ではありません。当面は、地震前の状況に戻すことを目指し、職員一同努力しております。
 今回の地震被害で痛感したのは、災害時現場にいたスタッフの判断がすべてに優先するということです。私はたまたま十日町にいたので、すぐに病院にかけつけることが出来ました。しかし、交通網が寸断され、病院へ来ることが出来ないスタッフも多数おりました。また、避難時、地元消防団の方がいち早くかけつけ、寝たきり、車椅子の患者様の避難に手を貸していただき、非常に助かりました。それがなかったら、死傷者も出たかもしれません。電話は不通、携帯電話も不通、携帯メールとEメールは何とか繋がりました。このことを教訓に、新しい連絡網を考えなくてはいけないと思っています。

 災害復旧には多大な努力と幾多もの犠牲を伴います。でも希望を捨てなければ、何とかなると改めて思ったしだいです。
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