余震がまだ収まらない中、厚生連としての支援や協力の体制が整った矢先の11月2日に会より「中条第二病院の閉院及び人員整理を含めて検討したい」との見解が示され、これに対し組合は「地域医療の確保」と「雇用を守る」を最大の目標として、中条第二病院の再建を要求しました。その後の組合と会との協議により「余震の経過を見ながらではあるが、4月を目途に改修し開院したい」と合意され、12月から翌年3月まで間、中条病院の職員を県内の厚生連病院に転勤することで決定しました。
私たち刈羽支部も厚生連の全体の問題と捉え、また仲間として「みんなで助け合っていく」、「中条第二病院の再建まで支える」との強い決意のもと、県内にある病院の中で、最も多くの職員の受け入れ先となりました。中条病院の人件費の補填に私たちの時間外手当を当ててはとか、あれこれ思案しました。転勤者の方に出来る限り温かく迎え入れてあげたいと思うのですが、これから迎える冬、被災に遭われている、様々な不安を抱えてこられているなど考えると、どの様に応えれば良いのか心配でした。12月には転勤者が来られ、現在も本当にがんばっていただいています。他人事ではなく、希望・目的意識を持ち続けることの大切さを教えて貰った気がします。ある転勤者の方に「通勤は大変でしょ、仕事は慣れましたか?家の人は何か言っていますか?」と尋ねると「道路の復旧がまだなのと雪があるので時間はかかりますが、仕事は皆さんが本当に良くしてくれますので楽しく勤めさせていただいています」と言われ安直ですが、素直に受け止め安心しました。
年明けの1月の末、震災直後より労働組合が取り組みを続けていた「災害復興費補助率の引き上げ」の厚労・農水省交渉、国・県・行政への交渉の結果、1.2から2.3へ補助率が引き上げられました。また厚生連本会より、4月には中条第二病院の改修が完了、地域医療が再開する見込みが告げられ、本当に再開の目処が立ちました。私たちの組合の取り組みが評価されたことをうれしく感じ、中条第二病院の完全復興のため支援を続けていこうと思った瞬間でした。
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