涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、目の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼びます。現在、日本では約八万人もの患者さんがいるといわれています。

 はじめは、なんとなく目に違和感・不快感・疲れとしてあらわれ、目がゴロゴロする、重い、ショボショボ、熱感、しみるなどの他、充血、午後になると目がかすむなどさまざまな症状がでます。

ドライアイの予防と日常の注意点
 @パソコン・テレビ・ケータイなどで画面に長時間向かう時は、まばたきを意識的に増やします。休憩を入れましょう。

 A画面に照明や窓の光が映り込むと、画面が見づらくなり、まばたきをせずじっと見つめてしまいます。文字が小さくても同様です。見やすい画面で作業しましょう。

 B扇風機や冷暖房などの風が顔にあたると、目はすぐに乾きます。噴き出し口の方向や適度の湿度に注意しましょう。

 C目が疲れたら、蒸しタオルをまぶたの上にのせて五分ほど休憩しましょう。

 D午後や夕方になると目の調子が悪くなる。眼科で検査を受け、早期の対処で悪化させないようにしましょう。

 Eコンタクトレンズを使用していて、目がゴロゴロする、充血するなどの症状が出る場合。この状態でコンタクトレンズを使い続けると病状を悪化させます。コンタクトレンズの使用は中止し、また違和感が出ない程度の短時間使用にする。眼鏡と併用しましょう。

 F市販の点眼薬や洗浄液の乱用は、悪化させることが多いです。点眼薬に含まれる防腐剤や刺激物の副作用のほか、貴重な自分の涙を洗い流してしまいます。眼科で適切な指導と治療を受け、自分の涙を増やしましょう。

 Gドライアイは、アレルギーなどを併発する場合も多くみられます。ドライアイだと思っていたら、違う病気という場合もあり、目の疲れや違和感を感じるときは、自己判断に頼らずに眼科を受診してください。

 長岡中央綜合病院 視能訓練士 若林珠美