産婦人科疾患は月経困難症、月経前症候群、月経不順、不妊、思春期・産前・産後などの自律神経失調症状、更年期症状、冷え症などです。
女性の特徴は、月経・妊娠・出産・閉経と月や年の単位でダイナミックなホルモンの変動があり、これらにより心身ともに影響を受けることです。
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漢方では、気・血・水を生体維持の三要素とみなし、気・血・水が正常に循環することで健康が保たれると考えますが、女性はこの三要素のバランスが乱れやすいのです。いずれかの過剰や不足で、様々な体調の変化があり病気となります。
気の異常は、冷えのぼせ、発作性の頭痛・めまい、顔面紅潮、イライラ、動悸発作、抑うつ傾向、情緒不安定、喉のつかえ感、頭重・頭帽感、無気力、疲労倦怠感、食欲不振など。
血の異常は、口の乾燥、腹部の膨満感、全身または局所の煩熱感、月経困難症、月経不順など。
水の異常は、身体が重い、拍動性の頭痛、頭重感、めまい、浮腫、悪心・嘔吐など。それぞれ一種の症候群として理解し、それぞれに対応する漢方を処方します。
イライラ、下腹部膨満感、下腹痛、腰痛、頭重感、怒りっぽくなる、頭痛・頭重感、乳房痛、落ち着かない、憂うつ、悪心・嘔吐、倦怠感など、精神的あるいは身体的症状で、月経とともに見られるものが月経困難症、月経前、三〜十日のあいだ続く場合は月経前症候群です。西洋医学的には低用量ピル・鎮痛剤・抗欝剤などが用いられていますが、誰にでも効くわけでもなく、副作用がでることもあります。
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思春期・産前・産後などの自律神経失調症状や更年期症状の、めまい・のぼせ・耳鳴・頭痛・肩こり・動悸・不眠・不安・イライラ感など、および月経不順・排卵障害・卵管閉塞や子宮筋腫による子宮内腔の変形などの器質的要因のない機能性の不妊などが、漢方の適応となります。
また、冷え症を改善すれば月経が順調になり、月経痛が改善され、妊娠することがあります。更年期症状や癌治療でのうつ状態でも、冷えを改善すれば血行や代謝が良くなり症状の改善が期待されます。
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ところで冷え症などには、生野菜・甘いか冷たい食べ物などの偏食、不規則な生活、冷房、きつい靴や下着のファッションなどの現代の生活様式が影響しています。そこで漢方の治療で大切にすることは?
@腹八分目の食生活(旬のその土地の食材を洗浄・煮たり焼いたりと加熱して、食中毒の原因菌・農薬・放射性物質などに注意し、みそ汁とご飯を中心とする和食を味わって食べる)
A適度な休養や運動
B心身の変化を受け入れる心身の余裕―です。
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