主人(信明さん)の病気を見つけたのは、十一年前のことです。ある時いつものように家族みんなで食事中、みそ汁を飲むとむせるのです。だんだんひどく毎回むせるようになりました。

 精密検査をすすめて病院で診ていただき、紹介状を持ち、大きな病院で一週間の検査入院。私と息子は先生からその結果(大動脈瘤)をお聞きした時は、もう胸が張り裂けそうな気持ちでいっぱいでした。夜遅く三人でいったん帰り、家族で考えることにしました。

 それからは三カ月に一回の検査通院を四年間続けました。最初の三年半くらいまでは、特別進行もなく、日ごろの生活に何不自由なく忙しく飛び回る生活を過ごし、長年の勤務から離れて、地域の方たちとの交流や孫の保育園行事を楽しんでいました。

 その後、右足の上りが少々不自由になってきました。いよいよ手術の決断の時、友人からの情報をいただきながら、かかりつけの先生に手術をお願いしました。

 当時、傷の治療や発熱との闘いが続きました。しかし、リハビリと散歩ができるようになり、看護師さんたちは優しく「のぶちゃん」と声を掛けてくださり、とてもホットな入院生活をさせていただきました。昨年はいろいろな記念日を病院で送りましたが、今年は我が家で祝えるよう前向きに頑張って、ようやく退院できました。

 在宅に向けて大勢のスタッフや長男夫婦と話し合いを行い、たくさんの物品をそろえての部屋準備、私たち家族にとっては二十四時間の世話をどうクリアしていけるかとても心配でした。でも、とても良い訪問看護師さんに来ていただき、いろいろと教えていただき、ヘルパーの皆さんも明るくて、介護する私はとても救われました。

 急に容態が悪くなった時には、救急車で病院へ走ることしかできない主人ですが、絶えず大勢の友人に来ていただき、身内に励まされ、一生懸命にリハビリを頑張り、毎日を感謝して過ごしております。

 寝たきりの本人が一番つらいのです。でも自宅ほど、心が癒される良い場所はありません

 「明日は我が身」―在宅介護は大変厳しいですが、お世話をされている皆さん、頑張りましょう。