粟島浦村は村上市の北西約30`にある離島の粟島です。粟島浦村は1959年以降、無医村となっていました。1961年に医療過疎緩和の目的で、粟島へき地出張診療所が開設されました。

 2001年に粟島へき地出張診療所の運営が村上総合病院に委託され、診療所と同病院はテレビ電話で結ばれることとなりました。それ以降同病院では、遠隔テレビ電話診療が行われています。

 遠隔テレビ電話診療には、週二回行われる「定期テレビ電話診療」と、365日・24時間態勢の「緊急テレビ電話診療」があります。このテレビ電話診療が開始されてから、粟島浦村からの緊急搬送者数は年々減少しており、2009年には搬送者数はゼロになりました。

 このテレビ電話診療以外にも、村上総合病院から4カ月交替での看護師の派遣や、総合検診、健康教育のための疾病についての講演などが行われています。また7・8月には、夏季休日出張診療ということで、同病院の医師が週末に粟島浦村で診療を行っています。

 このように現在、粟島へき地出張診療所と村上総合病院は、テレビ電話診療などで密接に結ばれています。


(取材/佐野)