昨年の10月に誕生した新潟医療センターは、県内の17カ所ある厚生連病院において、唯一心臓の手術を行っています。
出身はどちらですか?
 心臓バイパス手術とは、正式には冠動脈バイパス術といいます。心臓の筋肉(心筋)に血液と酸素を供給する動脈を冠動脈といって、左冠動脈と右冠動脈があります。1〜1.5_の太さです。心臓を頭とすると、その表面を覆うようにあるので、「冠」という字があてられています。

 この冠動脈が、高血圧症や糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙、飲酒などが原因で動脈硬化のために狭くなったり閉塞してしまうと、これまでは何ともなかった日常生活で胸が痛くなったり、重い感じ(圧迫感)や絞めつけられる感じ(絞扼感)がするようになります。左肩や左腕や歯の痛みや、胃のあたりの不快感の場合もあります。病状が進行すると、安静にしていてもこのような症状が出ます。このような病態を狭心症、急性心筋梗塞といいます。

出身はどちらですか?
 冠動脈バイパス術は、狭くなったり閉塞してしまった冠動脈の末梢の部位を7〜8_縦に切開し、ここに別の血管を縫いつけて、たくさんの血液が流れるようにする手術です。新潟市にも新新バイパスがあります。市内を通る道路が大渋滞していても、そこを迂回するバイパス道路を通れば、その先にスムーズに行くことができます。冠動脈バイパス術も発想はこれと同じです。

 バイパス道路に相当するものが腕にいく動脈の枝である内胸動脈や胃の動脈(胃大網動脈)、腕の動脈(橈骨動脈)や足の静脈(大伏在静脈)です。

 以前は人工心肺という器械を使い、心臓を停止させて手術していましたが、現在はほとんどが心臓を動かしたままで手術を行っています。このため手術後の経過は他の外科手術とあまり変わりなく、多くの場合、人工呼吸の管は手術当日に抜けて水を飲み始め、翌日には食事を開始し、歩いて集中治療室を出ることができます。手術後3〜4日目には全身シャワーも使用できるようになります。

出身はどちらですか?
 心臓血管外科では手術の様子は集中治療室にあるモニターでご家族に見ていただき、録画も自由にしていただいています。ご家族には必要な時に手術室から電話をかけ、画面を見ていただきながら手術の経過を説明しています。患者さんも、元気になられてからご自分の心臓手術を録画で見ることができ、改めてご自身が受けた手術の内容について、さらに理解を深めていただいています。

 心臓手術にはこの他にもいろいろあります。詳しくは 新潟医療センターのホームページ(http://www.niigata-medical.jp/)から「診療科のご案内」、「心臓血管外科」にアクセスしてご覧ください。