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心臓のリズムが不規則になった場合を不整脈と言います。治療の必要がない不整脈もありますが、症状が強く、日常生活に支障をきたしたり、心不全を来たしたり、突然死の引き金となるような不整脈に対しては、治療が必要となります。
不整脈の種類によっては、生命予後に影響を与えるものも存在するため、専門の診断・治療が大切です。
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では、どんな不整脈が危険なのでしょうか?
一分間に脈拍が100回以上のものを、頻脈と言います。特に危険なものは「心室細動」で、心室が細かく震えている状態となり、心臓から血液を送り出すことができないため、心臓突然死の原因となります。また「心室頻拍」は、脈が120回以上と非常に速くなりますが、心臓に持病があるような人には危険な不整脈となります。
逆に一分間に脈拍が50回未満のものを徐脈と言います。3秒以上、脈がない場合は目の前が暗くなったり、意識を失ったり、場合によっては心停止を引き起こすことがあります。
脈が飛んだり抜けたりする不整脈を「期外収縮」と呼びます。基本的には放置しておいて構いませんが、症状が強かったり、回数が多くて心不全を来たしてくるような場合には注意が必要です。
また、「心房細動」と呼ばれる心房の不整脈は、心臓の中に血栓ができやすく、脳塞栓(こうそく)の原因となる場合があります。
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次に、不整脈の自覚症状とはどんなものでしょうか?「ドキドキする」「脈が急に速くなる」「めまいや目の前が暗くなる」など、様々な症状がおこります。また、全く自覚症状のない人もいます。しかし、時には不整脈により胸痛や息切れをおこしたり、意識消失を来たすことがあります。
意識がなくなったり、めまいのような症状が頻回に起こるような場合は、受診をしてください。
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不整脈の治療は大きく分けて三つあります。
一つは薬物治療です。不整脈を抑えたり、頻脈の場合は脈拍を少なくする治療を行います。薬の種類によっては、飲み合わせで副作用が出る場合があるので、医師の指示をきちんと守って内服してください。
二つ目はカテーテル治療です。カテーテルとは血管を通じて心臓の中に細い管を入れて、不整脈の起源を焼灼する方法です。
三つ目はペースメーカー、植え込み型除細動器のような器械による治療です。脈の少ない場合はペースメーカーを、心室細動や心室頻拍の場合は植え込み型除細動により治療を行うことがあります。これにより、突然死を防ぐことが可能になります。
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不整脈は軽症から重症まで様々あります。時に、致死的になることもあり、未然に防ぐことが重要です。
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