医師になるためには、大学で六年間の医学教育を終えて、医師免許を取得したのち、二年間以上の臨床研修が義務化されています。

 長岡中央綜合病院で研修一年目を、各科病棟を一カ月から三カ月単位で研修に回られる、いわゆる「医師のタマゴ」にあたる研修一年目の先生方は、学ぶことが多くて寝る間を惜しんで勉強されています。

 このたび、三カ月の外科研修に来られた先生方に医師として目指していることや抱負などを伺いました。
(取材/佐野)

ご出身は
研修医 渡邉ゆか理(26)

 研修期間が終わるころには、黙々と指示書きし、ち密に仕事をしていた渡邉先生。実は、人見知りするシャイな先生です。

●研修はいかがですか。
 外科研修初めのころは緊張の連続で、失敗ばかりしていました(そう言えば、看護師からのあいさつさえ聞こえなかったようです)。ソ径ヘルニアや虫垂炎の手術などをさせてもらいました。先輩の先生方がいともあっさり行う手術は、何一つ簡単にできる技術ではないと実感しました。失敗することへの不安が強く落ち込んでいましたが、先生方がフォローしてくださり、できる範囲で見守ってもらったと感じています。

●患者さんに接するときは。
 知識や経験は少なくても、根拠を持ってしっかりした説明を心掛けています。病気だけでなく、気持ちや苦痛をきちんととらえる医師を目指しています。

●医師を目指したきっかけは。
 親が開業医をしていて、大変そうだけど、楽しそうに仕事をする姿を見ていたからでしょうか。充実していますが、本当のところは疲れと眠気との葛藤です。目標は、いくつになっても現役の医師として学び働き続けることです。


ご出身は
研修医 廣瀬 雄己(27)

 元気いっぱいという勢いで、研修初日を迎えた廣瀬先生は、岐阜県垂井町出身の明るい先生です。人と接することが好きで医師を選んだそうです。

●目標とする医師のあり方は。

 小児精神科の先生が言われたことが、胸に響いています。ドクターになると、ただそれだけで見上げられがちになり、患者さんが本当に欲していることが見えないことがあります。だから、意識して患者さんと同じ目線で話すようにしています。

●研修9カ月になりましたが、今までの実感は。
 記憶に残るのは、うまくいかなかった事例です。もっとこうすればよかったとか、悔いが残るようなときです。だから、一生懸命勉強しますが、それが自己満足のレベルであったと思い知らされて、へこみました。もっと成長したいと強く思います。

●夜遅くまで仕事をされていますが、外科研修はどうですか。
 この病院は手術も多く、体力的にはハードですが、外科はチーム医療なので研修が楽しいです。