佐渡総合病院の移転新築計画は、佐渡市やJA佐渡、JA羽茂の多大な支援をいただきながら、2011(平成23)年10月開院に向けて着々と準備を進めています。
新しい病院は、地上7階+塔屋2階、延べ床面積は約31280平方b、病床数は354床(このうち感染症四床)で診療科数22科。島内医療の中心的役割を担っていくための機能を維持しつつ、離島という制限された環境にあっても質の高い医療を提供できるようにするため、新たに放射線を使ったがん治療器やRI(核医学)検査機器の導入、緊急時の患者搬送に迅速に対応するための屋上ヘリポートの設置、また島内の医療連携ネットワークを推進するための電子カルテ導入などを計画し、検討を進めています。
療養環境については、病室のベッド数を最大四床として各部屋にトイレを設置するとともに、浴室付きの特別室や、窓からの光を各ベッドに取り入れて明るく開放的な空間になるよう設計された個室的多床室を一部の病室に採用するなど、広く快適な環境を整備する予定です。外来部分についても、一階と二階をつなぐエスカレーターを正面ホールに設置し、高齢者の方にも安心して院内を行き来できるよう配慮した構造を計画しています。
最近話題となっている地球温暖化対策にも積極的に取り組み、一部にLED照明を取り入れたり、効率の良い冷暖房装置を導入するといった、施設設備の省エネルギー化に加えて、屋上にソーラーパネルを設置して太陽光発電を行ったり、雨水を貯留・ろ過してトイレの洗浄水等に利用できるようにしたりと、温室効果ガスの排出削減に努めるよう整備する予定です。
2008年4月から移転新築準備室を設置して始まった移転新築計画は、当初、金井千種沖の二万坪を用地として予定していました。しかし、千種沖一帯が埋蔵文化財の包蔵地であることや、地盤が弱いために造成が非常に困難であるといったさまざまな問題が挙がったため、関係各所と協議を行った結果、同年九月に現在の予定地である金井小学校グラウンドの一部とJA佐渡農機車両燃料センター付近を候補地とすることになりました。
同年12月には設計事務所が決定し、基本設計、実施設計と検討を進め、今年9月に実施設計と入札方法について厚生連の経営管理委員会で承認されました。その後、10月末に工事業者が決定し、11月からの着工を予定しています。
開院まで残り2年となりましたが、職員一丸となってより良い病院を目指していきます。
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