外来でのマンモグラフィーや超音波検査に引き続いて行われることも多いのですが、異常所見が発見されると、針をさしたり、比較的小さな手術で細胞や組織を一部取って調べることによって、がんかそうでないかを区別する作業が必要になります。一般には入院などを必要とせず、少し時間がかかる診断手技もありますが、日帰りでできることがほとんどです。
ご出身は
 ここで悪性所見が出ると手術あるいはその他の治療へ入ることになります。ピンチ到来ですが、実はこのピンチはずっと前からあって、ここで見つかって治療できるチャンスが来たと思っていただきたいのです。

 手術は全身麻酔で行うことが多いですが、数日から二週間前後の入院が必要な場合があります。手術に備えて転移などがないかどうか、あるいは温存治療ができるかどうか判定するために、CT、MRI、骨シンチ、その他血液生化学、心電図、呼吸機能などの検査が行われます。手術までの間はやはり外来で行うことが多いようです。
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 手術後もう一度、切除された病変を顕微鏡などを使って検討することにより、今後の治療が最終決定されますが、世界中のどこでも、どの病院でも病理検査の結果をみれば基本的な治療方針はほぼ決まっていて同じです。

 手術以外に必要なものとしていわゆる抗がん剤による化学療法(場合によりますが半年ほど)、放射線療法(1カ月程度)、ホルモン療法(5年ほど)の3つが代表です。これらすべてが必要な人もいますし、どれかひとつだったりする人もいますので、治療方針については主治医の先生とよく相談しましょう。一般には外来で治療を継続していきますが、時々入院しながら治療を繰り返す患者さんもおられます。

 手術などの入院治療が終了すると、外来で時々血液の検査や画像診断を行いながら、化学療法やその他の治療と合わせて経過を観察します。経過観察の期間は最低5年ですが、その後も可能であれば長くお付き合いしてください。
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 ただ、検診も100%必ず見つかるというものでもありません。過信は禁物。だから自己検診も大切なのです。マンモグラフィーで異常がない人でも触診でしこりを触れて、超音波検査などでがんと診断された患者さんもいらっしゃいます。自分で見つけるチャンスを逃さないでください。検診を受けるチャンス、精密検査を受けるチャンス、治療を受けるチャンスなど、ご自身でチャンスを潰してしまわないようにして欲しいと思います。

 娘の花嫁姿を見たかった…。孫を抱いてみたかった…。愛する貴方を残していくのが何よりもつらい…。

 こんな切ない気持ちを残しながら亡くなっていく患者さんを我々は知っているだけに、是非ともマンモグラフィーを含めた乳がん検診を受けていただきたいと思います。罹患する年齢のピークは40〜50歳代で、自分自身の人生について改めて考えたりする世代に多く起きるのです。

その2