6人兄弟の中で一番病弱だった私が、次々と他界する兄弟に励まされながら一人ぼっちになってしまいました。

 50代の頃から気管支肺炎を四度も繰り返し幾日も高熱が続いて危篤状態のときもありましたが、先生のおかげで助かった恩は忘れることはできません。

 「あなたは慢性気管支炎です」と宣告されてもう20年近くになります。

「たばこはやめなさい」「栄養をとりなさい」「仕事に無理はしないように」―細々と先生の指導があって、すべてを守り続けたおかげで今は病気の進行をストップさせました。慢性だって治らぬことはないという自信がつきました。

 もうすぐ83歳になりますが、今は病気への不安よりいかにこれからの老後を楽しむかに気持ちを集中させています。

 まず若い頃からの趣味として読む、書くを続け、新聞や雑誌に投稿することで同じ趣味の人と文通したり、尋ねあって交流しています。老後の病気は足から弱るというから雨、風、雪の日もいとわず一日二`の道のりをジョギングして足腰を鍛えています。
 「死ぬまで杖を使わず
一人で行動する」「ボケ防止のためには物を考えながらそれを文章にする」

「家にとじこもらず出歩いて、頭の中のモヤモヤを吹っ飛ばす」―こんなことを続けていると一日があっという間に終わってしまいます。

 寒い日でもセキもでないし、かぜで寝ることもないこと十年あまりの日常ですが、私は決して自分が慢性気管支であることを忘れた訳ではないのです。それなりに先生の指示を守り、これ以上病気を進行させない気力だけは持ち続けています

 今は同じ病で苦労している方のお役に立てばと魚沼病院の患者会「すくらむの会」に一年前に入会しました。

 最後に私の闘病十訓を書いて、皆様の参考になればとおすすめします。

@快方に向かっても油断しない。

Aできるだけ体を動かす。軽い体操、歩くことを毎日日課に。

Bボケ防止を自分の日常生活の中で努める。

C無理をしない。

D食事療法を自分の病気にあわせてする。

E家族と仲良くする。老人の短気は損気。

Fいつもニコニコ朗らかに。

G早寝・早起き励行。

H他人の悪口言わない。

Iこれをみんなやったらきっと楽しい一日が終わる。