最近、マスコミでも盛んに話題になっている新型インフルエンザ。毎年流行するインフルエンザとどんな違いがあるのでしょうか?
インフルエンザウイルスにはA型、B型とC型があり、毎年流行するソ連型、香港型などのインフルエンザウイルスは、そのほとんどがA型です。過去には日本でも四十五万人が死亡したこともありました。新型インフルエンザもA型で、強毒型鳥インフルエンザウィルス(H5N1)が鳥から鳥に感染を繰り返すうちに人の体内で増えることができるように変化し、人から人にうつる様になったものを指します。
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新型インフルエンザがもし発生した場合、基本的にすべての人が、そのウイルスに対して抵抗力(免疫)をもっていません。そのために新型インフルエンザは、急速に広がると考えられています。
新型インフルエンザウィルスがどのくらい強い感染力をもつのかについては、現段階では予測できませんが、東南アジアなど限られた地域で300人近くが亡くなっています(鳥から人への感染)。国内での発症はありません。しかし、一度発生すると人口の増加や都市への人口集中、飛行機などの高速大量交通機関の発達などから、あっという間に地球全体にまん延すると考えられます。この世界的流行をパンデミックといいます。
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2〜8日の潜伏期を経て、摂氏38度以上の高熱や咳、その後、急速に進展して肺炎による呼吸困難や全身の臓器の機能不全などの症状を起こします。四人に一人が感染すると予想されており、日本では五十万人以上が死亡するという高い致死率なのが特徴です。
毎年流行するインフルエンザは、脱水や続発性の肺炎により子供や高齢者に注意が必要ですが、新型インフルエンザは、強い毒性のため体内で免疫が強力に働き過ぎ、すべての臓器に障害が起こります。したがって、免疫力が強い若い人が犠牲になりやすいのです。空気感染するという報告もあり、伝染力は強いようです。
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簡易な診断方法は現在ありません。保健所や国立感染症研究所などで診断されます。
治療は抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ)がある程度効果があるとされています。発症してから二日以内に内服しないと効果が無いのは、普通のインフルエンザの治療と一緒です。
ワクチンも有用とされています。国は東南アジアで発症した人から製造したプレパンデミックワクチンの備蓄をしているようです。
まだ、どんな状況になるかわからないため、慌てないことが必要です。マスメディアなどから的確な情報を入手することも重要です。新潟県で感染が認められ始めたら、学校は休校になるでしょう。人との接触を制限し自宅で待機するのが一番です。
1〜2週間分の食料を蓄えておくのも必要とされています。ライフラインが停止することも想定しておきましょう。
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