空気が乾燥する秋・冬になると、皮膚がかさかさして痒くなるという方は多いと思います。今回は皮膚の乾燥から生じる「皮脂欠乏性湿疹」の病態やその対策についてお話しいたします。
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年齢とともに「皮膚の老化」により皮膚が乾燥してきます。中高年者の四肢、特に下腿によくみられ痒みを伴います。掻くことにより悪化し湿疹化します。これが皮脂欠乏性湿疹です。
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皮膚のうるおいを保つためには、皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質という三つの物質が必要です。これらの物質が年齢とともに減少するため、皮膚から水分が逃げやすくなり乾燥します。暖房による空気の乾燥や、熱いふろで強くこするなどの間違ったスキンケアにより悪化します。
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@入浴時のお湯はぬるめにしましょう。石鹸をスポンジ等でよく泡立ててから、手でやさしく体を洗いましょう。ナイロンタオルやブラシでこする事は止めて下さい。硫黄入りの入浴剤は避けましょう。
A爪は短く切りましょう。
B肌に直接ふれる服は、綿素材のものを選びましょう。化繊やウールはチクチクして症状を悪化させることがあります。
C食事は直接関係しませんが、アルコールや刺激物は痒みを増強することがあります。
D体が暖まると痒みを強く感じやすくなります。就寝時の電気毛布の使用は控えた方が無難です。
E加湿器などを使って室内の湿度を保ちましょう。
F病院で処方された保湿剤や湿疹をおさえる塗り薬を症状に応じて使用して下さい。
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予防、治療にはご本人とご家族の普段の心がけが大切です。正しいスキンケアにより皮膚を乾燥から守り、快適な冬をすごしましょう。
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