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人の目は、よくカメラにたとえられますが、カメラのレンズに相当するのが水晶体です。正常な水晶体は透明で、光をよく通します。しかし、さまざまな原因で水晶体の中身が濁ってくることがあります。これが「白内障」です。
水晶体が濁ると、光がうまく通過できなくなったり、光が乱反射して網膜に鮮明な像が結べなくなり、視力が低下します。
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原因として最も多いのは加齢によるものであり、これを「老人性白内障」と呼んでいます。個人差がありますが、誰でも年をとるにつれ、水晶体は濁ってきます。老人性白内障は一種の老化現象ですから、高年齢の人ほど多く発症します。
その他に、アトピー性皮膚炎や糖尿病などの合併症として発症することや、目のけがや薬剤の副作用から白内障を起こす場合もあります。
主な症状としては、「目がかすむ」といったものですが、「明るい所でまぶしい」や「物が二重に見える」等があります。
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日常生活に支障がない程度であれば、点眼薬により、白内障の進行を遅らせます。これらの薬剤は、水晶体が濁るスピードを遅くするもので、症状を改善したり、視力を回復させることはできません。
白内障が進行して、日常生活に不自由を感じるようであれば、手術を行います。一般的には、3〜4日間ほど入院します。施設によっては日帰り手術を実施しているところもあります。
現在、白内障手術は主に、濁った水晶体を超音波で砕いて取り出し(超音波水晶体乳化吸引術)、人工のレンズ(眼内レンズ)を入れるという方法で行われています。
手術は点眼や注射の局所麻酔で行われます。手術時間は目の状態にもより異なりますが、10分〜30分くらいです。
以前は水晶体全体を取り出す手術で、角膜を大きく切り開く必要がありました。しかし、超音波で水晶体を砕く方法が開発され、眼内レンズが改良されて、切開創は年々小さくなってきました。1980年代には11_切開していたのが、90年代は6_、2000年代に入ると4_になり、今ではわずか2〜3_の切開で行います。切開創を小さくできるようになったため、手術による眼球の負担が減り、安全性も高まり、術後に角膜がゆがんで乱視になる頻度や程度も低下しました。
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手術直後はふつう充血があります。またしばらくは、目がゴロゴロする、目がチクチクする、涙がでる、目やにが多い、などの症状が続きますが、だいたい1〜2週間でなくなります。
手術により、ほぼ白内障が起きる前の見やすさを取り戻せますが、眼内レンズは水晶体のようにピントを調節する機能がないため、不便に感じることがあります。その場合はメガネなどを使用します。
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