最近、飲み込みがうまくいかないな? と感じることはありませんか?高齢になると食べ物を飲み込む力が衰えてしまいます。気をつけないと、食道ではなく気管支に誤って食べ物が入ってしまう誤嚥(ごえん)を引き起こしてしまいます。誤嚥は肺炎にもつながりとても危険です。

 三条総合病院の三階病棟では、誤嚥防止のために平成17年4月から「飲み込む力を鍛える嚥下(えんげ)体操」を昼食前に看護師の指導のもと、介護員が中心となり毎日行っています。

 食事の時間約30分位前になると歩ける患者さんはもちろん、歩けない患者さんも車イスに乗りデイルームに集まります。嚥下体操も色々工夫をして、より全員に浸透しやすいように音楽に合わせながら体操しています。患者さんの中に耳の遠い方、目の不自由な方、認知症の方それぞれいらっしゃいますが、個々に合わせ介護員が寄り添いながら体操をしています。

 嚥下体操を行う目的は、飲み込む力を鍛えるだけでなく、唾液の分泌を促す効果も得られています。それから、患者さんとのスキンシップやコミュニケーションも大切な目的の一つです。患者さんからは「毎日体操を楽しみにしている」「毎日の習慣として、家に帰ってからもやれそうだ」と好評です。

 介護員からは「患者さんの表情が明るくなった」「体操することで食事をする意欲にもつながっている」「普段はベッドで寝てばかりいる患者さんも声を出しながら体操している」と体操がもたらす様々な効果を実感しています。 病院や施設だけに限らず、在宅でも取り入れられる簡単な体操です。是非、食事前の5〜10分間、気軽にやってみてはいかがでしょうか?

(取材/渡辺)