健康診断に行くと胸のレントゲンや胃のバリウム検査は定番です。しかし、いつも疑問に思うことがあります。なぜ息を吸ったり、はいたりするのでしょうか? どうして台の上で何度も回り続けなければいけないのでしょうか? 最近は、乳がん検診も多くの女性が受けるようになりましたが、なぜあんなに痛いくらいに押しつぶすのでしょうか?

 健康診断の目的は、小さながんを早く見つけることです。レントゲンのどの検査も発見しようとする体の部分を引き延ばして小さな病気が隠れていないか見つけ出します。

 胸の中にある肺は、息を吸い込む事により膨らんで大きく広がります。胃も同じ事です、泡のでる粉薬で胃をある程度膨らまし、後は呼吸で胃を広げます。息を吸い込むと胃の下の部分が膨らみ、はき出す事で胃の上の部分が膨らみます。乳がん検診では、乳房を押しつぶすことで小さながんを見つけます。ただ、脇の下の厚みがある方は乳房より大きな圧力が掛かりますので、痛みを伴う場合があります。

 胃の検査では、バリウムを飲み、胃袋を洗い流しながら写真を撮って行きます。小さながんは洗い流した瞬間に顔を出すのです。たくさん台の上で回らされる事は丁寧に病気を見つけようとしている証です。

 早期にがんを見つければ、ほとんどが根治できます。それにはやはり毎年検診を受け続ける事が大切です。
 
 (記事/大橋)