ご出身は  平成19年6月、糸魚川地域の循環器疾患治療を担ってきた姫川病院の閉院により、同地域の循環器医療は混乱状態に陥りました。とりわけ、循環器疾患の急性期診療は事実上不可能な状態となり、複数の患者さんが上越市内をはじめ、遠方へ約一時間かけ救急車で搬送されました。
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 地域内に循環器診療が可能な施設が必要であるという糸魚川市民の皆様のご理解のもと、糸魚川市の協力により、この度当院に循環器診療施設の増設が行われました。同時に、富山大学より3人の循環器内科医が常勤医師として赴任し、計4人の循環器内科医師体制が整いました。これで糸魚川地域の循環器診療の一翼を担えるものと思っています。
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 さて、今回増設された循環器診療施設について、簡単に紹介させて頂きます。 本施設は、小学校の二十五メートルプール程の敷地に二階建てで建築されました。循環器外来の診察室は二階にあり、病院入口からは奥まった少し遠い所に位置しているため、外来患者さんにご迷惑をお掛けしておりますが、とても広く明るい診察室です。診察室の横には生理検査室があります。ここでは毎日、心エコー検査と心負荷検査が行われています。これらは、循環器診察の中で基本となる重要な検査です。

 続いて一階には、心血管造影室と核医学検査室があります。心血管造影室には、姫川病院より心血管シネアンギオ装置が移設されました。いわゆる、心臓カテーテル検査という、循環器診療には欠かせない検査を行うための装置です。また、冠動脈(心臓の筋肉へ血液を供給している血管)の狭い所を、風船の付いたカテーテルで拡げたりする治療もここで行われます。核医学検査室には、今回、新しく放射線断層撮影装置(スペクト装置)が導入されました。これは循環器疾患の診断に利用されると共に、脳循環疾患や消化器疾患、肺血流異常の診断などにも有用であり、今後、幅広い診療に活用されると思われます。

 今回、病棟の一部も改築工事が行われました。当院の内科病棟のナースステーションに併設されるように、新しく集中治療室(ICU)が二床用意されました。急性期の不安定な患者様や重症な患者様の治療に利用される予定です。
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 当院では、循環器診療開設が決まった昨年の内から、関係者をはじめ、病院全体で勉強会を繰り返し行っており、患者さんに安心して治療を受けて頂けるものと思っています。

 最後に、当院の循環器診療は現在、真っ白な状態であり、今後、どんな色に染まって行くのか、これは、私ども病院スタッフと患者さん皆さんの協力で創り上げていくものと考えております。当科受診の際、ご不明な点、ご意見等ありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
  循環器内科医長      藤井  望