人間誰でも悲しい事があれば気分が落ち込みます。しかし、多くの場合この気分の落ち込みは時間の経過と共に元に戻ります。ところが、気分の落ち込みが長く続き、日常生活に大きな支障をきたす様な場合を「うつ病」と言います。

ご出身は
 うつ病の原因は解明されてはいませんが、幾つかの要因が重なって起きると考えられています。 例えば、几帳面、生真面目、凝り性、他者配慮な性格の人は「うつ」になりやすい傾向があると言われています。また日常生活で遭遇する様々なストレスや環境の変化、近親者の死などの悲しい出来事は勿論、引越しや結婚に伴う環境の変化、昇進、進学に伴う責任感の増強など、本来なら喜ばしい出来事がストレスの原因になる場合もあります。この様な要因が重なり、脳内で分泌される化学物質の量が枯渇するとうつ病になると考えられています。

ご出身は
 うつ病の症状は精神症状と身体症状に分けられます。精神症状は、気分の落ち込み、不安感やイライラ感等の「感情面の症状」。記憶力や判断力、決断力の低下等の「思考面の症状」。興味や関心の低下や集中力の低下、無気力感などの「意欲面の症状」の三つに分けられます。身体症状は倦怠感や不眠、食欲低下、頭痛等で症状は多岐に及びます。

ご出身は
 うつ病の治療は「休養」と「薬物療法」が基本になります。

 まず薬物療法ですが、前述のように足りなくなった化学物質を抗うつ薬で補います。うつ病は「良くなったり悪くなったり」を繰り返しながら徐々に回復に向かう病気ですから、抗うつ薬を十分な期間、毎日飲み続ける事が大切です。

 次に休養です。休養をとるにあたり大事な事は「うつ病は必ず治る病気である」と言う事です。ですから焦らず十分な休養をとりましょう。休養のとりかたは千差万別ですが、無理な気分転換や気晴らしは厳禁です。周囲の方もこの点についてはご理解下さい。叱咤激励も逆効果です。必ず治る病気と理解して頂き本人、周囲がゆったり落ち着いている事が大切です。

ご出身は
次にうつ病を予防する生活の工夫を挙げていきたいと思います。

@自分の性格を知る。 几帳面、完璧主義、他者配慮の人はうつ病になり易い傾向があります。これを避けるには自分の性格を心得ておく事が大切です。

A頑張り過ぎない。
 気持ちに余裕を持って過ごしましょう。

B自分への負担を軽くする。
 何でも自分でやろうとするとストレスが溜まります。任せられる事は他の人に。

Cマイペースな生活を。
 他人が自分をどう思っているかを気にしすぎないで、マイペースな生活を。

D環境が変化した時は十分な休養を。
 生活に変化があったときは十分な休養や、家族や友人と話す時間を持ちましょう。

Eお酒の飲みすぎには注意。
 お酒は気持ちをリラックスさせる効果がありますが、飲みすぎはむしろ逆効果です。

 
 ここまで色々と書き連ねてきましたが、「あれ?おかしいな」と思ったらまずは医療機関を受診して気軽に相談をして下さい。何よりもそれが一番重要です。