腎不全で透析をしている患者さんは全国で約26万人(平成17年)です。そのうち、献腎移植を希望している方は約一万人です。しかし、献腎移植は平成18年には約200人(希望者の2%)しか受けられませんでした。脳死で亡くなる方は毎年四千人と言われていますが、臓器提供される方は少ないのです。臓器提供意思カードの普及が進まないことが原因のひとつです。
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死の直後、脳の回復は不可能ですが、腎臓などは適切な処置で機能が回復します。火葬で消滅させるのはもったいない、その腎臓で透析患者を救いましょう―それが献腎移植です。1997年に臓器移植法が施行され脳死がヒトの死と認められました。脳死は脳幹を含めた脳全体が壊死した状態で、自分で呼吸することができないので呼吸器がなければ数分で心停止します。脳死で心臓がまだ動いていれば腎臓以外の臓器も提供することができますが、生前の本人の意思表示が必要です。腎と角膜は家族の同意のみで心停止後に提供できます。
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生まれて最後に死ぬことは自然の節理であり、より良い人生を送ること、健康で長生きをすること、病人をできるならば救うことは人間社会の道理です。適度な運動、腹八分目の食事、禁煙と節酒、快眠と規則正しい生活で自分の命と健康を大切にすることは当然であり、仕事等で社会貢献し、死後も臓器提供で他人の命を救うことができれば幸せと私は思います。私は臓器提供意思表示カードの@とAに丸をつけて自署し、家内にも署名してもらい常に携帯しています。
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県内でも臓器提供が年々増えており、平成18年は8名の方から16腎が提供されました。心ある方々が見ず知らずの人の命を救う―本当にすばらしいことです。多くの方々に臓器提供意思表示カードを記入して携帯していただきたいと願っております。 |
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