糸魚川総合病院
 百人の産婦さんがいれば百通りの出産に対する思いがある。「夫や子供と一緒に生みたい」「自由な体位で生みたい」「生まれた赤ちゃんをすぐに抱っこしたい」「お気に入りのBGMをかけて」「明りは暗くして」などなど。

 こんな当り前の事が、病院のシステムや構造上の問題で、受け入れることができませんでした。

 糸魚川総合病院では、「分娩新生児棟」を改装、開棟しました。今後はL.D.R.と呼ばれる出産システムで対応できるようになります。 LDRとは、陣痛(Labor)から分娩(Delivere)回復(Recovery)までを家庭的な雰囲気の一室で過ごし、自宅分娩や自然分娩に近い出産を目指すものです。

 部屋は個室で、トイレ、シャワーは完備。全体も木目調で医療器具は収納型です。分娩室に移動することなく、家族と一緒に新しい生命を迎えることができます。出産時の体位も制限されません。産後もそのままゆっくり過していただきます。安心して産むことに集中できるシステムです。

 加えて、「アロママッサージルーム」も新設されました。出産という大仕事を終えたお母さんは大変疲れています。出産後からすぐ始まる育児は、喜びだけではなく、不安や緊張も伴っています。そのような状況の時、優しくお母さんの体に触れ、マッサージを行うことで、産後の疲労や緊張がとれ、リラックスしたひと時を過ごせる専用ルームになっています。

 当院は糸魚川地域で産婦人科の入院施設を有する唯一の病院です。出産数の減少、産婦人科医師不足等、全国的にも暗い話題ばかりですが、地域の皆様に「安全で快適な環境」を提供できるよう職員一同頑張ります。