医療を提供する病院から、クスッと笑えてほっとする、そんな話を拾いました。お楽しみください。

NSTとは
 少々認知症のある母を病院へ受診に連れていった時のこと。優しい内科の先生が声をかけてくださいました。「よく眠れる?」「太り過ぎちゃいないね」母は、かつてかなりの肥満で、心筋梗塞を起したときに痩せたのです。先生の言葉に、車椅子の上からすまして母は答えました。「いつもたいしたご馳走は食べさせて頂いてませんから」あれあれ?! 作っている私の立場は? クスリと笑う先生。診察も終わり「じゃまた元気でいてね」と言われたお返しに「どうぞ先生もお元気で。ごきげんよう」まるで皇后さまのような笑みと言葉を送ったのです。ひらひらと手までつけて。かなわないなあ。
(看護師をしている第一皇女)
NSTとは
 見るからに真面目そうな50代の男性が、胸部のレントゲンを撮りにきた。撮影が終了し、お疲れ様でしたと声をかけたところ、その方は「背中側は撮ったが胸側は撮らなくていいのですか」と言われた。「エックス線は体を透過するので一つの方向から撮影するとその影が写るので、前も後ろも写っているのですよ」と言うと「そうなんですか」と不思議そうに納得していました。
(心に裏のない放射線技師)
NSTとは
 いつも嗄れ声で「おまえさん、おまえさん」と呼び止めるIさん。たま〜に「おばさん、おばさん」に聞こえるのは気のせい? 用が済むと「悪いのう。勘弁のう。」という姿が憎めないけど、「お姉さん」と呼び止めてくれたら、すぐ振り返るのにな。
(くすり屋のムスメ)
NSTとは
 糸魚川総合病院へ三条総合病院から転勤してきたまじめなおとなしい看護師。おそるおそる病室へ。自己紹介の後、患者さんに「(具合は)どうですか?」患者さん「こわいです」「え?」「こわいです…」「私、怖いですか?」「いえ、胸のあたりが…」??? 実は糸魚川・西頚城地方では体が苦しくつらいことをこわい≠ニいうのです。知らなかった看護師はいきなりこわいといわれ、面食らったのでした。ちなみに上越地域ではしんどい・しんのい=A中越・下越などでは難儀≠ネどというそうです。
(病棟の通訳ナース)
NSTとは
 寒い季節にはありがたいお風呂。まだ生きていても浴槽につかると、「極楽じゃ〜」。天国が見れる場所です。施設での出来事です。お風呂から出て来られた少し耳の遠いおじいさんに職員が「あったまったかい?」と声をかけ、少ししてから「ああ、頭は洗った」と応えてきました。ん!?でも職員の方は「よかったねえ」と普通の返事をしてました。対応した職員に聴力検査に行ってほしいと思いました。 
(ペンネーム・温もりを運ぶ介護員)
NSTとは
 風邪から急性の副鼻腔炎(蓄膿症)を起してしまった。辛いが仕事中だ。耳鼻科にお願いをした。「診察の最後でよいので呼んでください」。やがてコールがかかりユニフォームのまま耳鼻科外来へ。まだ二、三人の患者さんが待っておられた。その隣に座りながら、余りの痛みに不覚にもポロリと涙がこぼれた。それを見ていた患者さん達。「おまん、そんなに痛いんかね。かわいそうに」「看護師さん、この人先にしてやってください」。「ほれほれ入っていいよ」。なんて優しい患者さん達。ありがとうございました。
(鼻は悪いけれど私も看護師さん)
NSTとは
 各外来に設けてある予約患者さんの診察券入れ。時々不思議なものが入ります。ベスト3をご紹介致します。
1 銀行のキャッシュカード(これはきっとお困りになるでしょう)
2 他病院の診察券。大学病院、近くの病院医院までさまざま。ありがたいことです。私たちを選んでおいでいただいています。
3 スーパーのポイントカード。私達のところでポイントを増やしてお返しできたらいいのですけれど。

ちょっと変ったもの
★バスカード。お名前を書いていないのでお返しのしようがなくて困るのです。
★ご家族の誰かの診察券。
★小銭…。どうもお賽銭のようです。ありがたや?!
(外来ナース子)