平成20年3月31日、午後四時頃でした。私の日課である犬の散歩に出掛けました。
 私の家の裏は岩船中学校があり、その裏山の松林が延々と続いて、足の健康にも最高のコースでした。いつもなら、私の散歩コースには参加しない人でしたが、その日に限って、なぜか後ろから歩いてきました。まさか、その妻に私の生死を預けることになるとは。

 私の体は突然異変を起こし、破裂性腹部大動脈瘤で、松の根元に崩れるように倒れました。妻はパニック状態の中で家に戻り、救急車を要請。そして、長男へも電話をしました。

 長男が来て、救急車も来たことで妻は安心したとか。担架で運ばれたことも覚えがなく、村上総合病院に搬送されて、すぐ担当の先生が診察。しかし、厳しい状態だと診断され、すぐ新発田病院に搬送。到着後、手術室に入りました。

 手術は大成功。それから集中治療室に入り、3日後に病棟に移りました。執刀の先生が来られ、「本当に30分の勝負でしたよ。切開した時は大変な出血で、輸血もしました。でも、頑張りましたね。あなたは運の強い人だ。あなたが倒れてから一番大切な時間のロスもなく、あなたに携わったすべての人々の最高のリレーが命を救ったのです」と、先生の言葉で溢れる涙を抑えることができませんでした。本当に心から皆々様に厚く御礼と心から感謝致しております。