私は、平成9年に市の健康診断で、尿に蛋白が出ていると言われ、病院に行くと「腎不全です。いずれ透析になります」と言われました。『人生これで終わりか、お先真っ暗だ』と不安でいっぱいになりました。 

 治療は食事療法から始まりました。好物の肉、魚は少ししか食べられず、食べ物のすべてに食べる量を決められ、そのたびに測って食べます。また、腎臓病用に作られた食品は、美味しくない・食べにくい物が多く、楽しいはずの食事が苦痛となり、食べる事が嫌になる毎日でした。 

 しかし、それをしっかりやらないと、透析となる日が早く来ると、自分なりに頑張りました。

 平成15年12月、風邪を引き、全身が浮腫(むく)みました。そこでついに腹膜透析が始まりました。透析すればすぐ浮腫みが取れると思っていましたが、なかなか良くならず結局浮腫みが引くまで半年かかりました。そして、その後も腹膜炎を3回患いました。その結果腹膜が弱り、三年しか腹膜がもたず平成19年1月から血液透析になりました。

 腹膜透析をしている間は、身体がだるくて労働意欲もなく、調子が良くなかったですが、血液透析になってからは、調子が良く今まで順調にきています。月・水・金の午後五時から4時間(最近は4時間半)の透析をしています。

 私たち透析患者は障害者ですが、決してただ病気を嘆いているだけではありません。制約が多いですが、社会人として、健常者と同じように仕事して生きてゆくことが、この治療を支えてくれる多くの方々への感謝を示すひとつの姿だと思います。これからはいかに充実した毎日が送れるかが、問われています。

 そうした中で困難を感じていることに、透析施設が、そして透析ベッドが不足していることです。

 希望する透析施設で受けられなかったり、生活の中で透析日の変更を希望しても簡単にはいきません。透析に対する不安、転院の不安でストレスが増すばかりです。もっと自由な選択ができるとよいと思います。

 私は腎臓移植のレシピエントとして登録しています。移植ができれば週3回の通院からも開放されます。現在ではドナーが少なく順番が来るまで十年以上かかります。

 元気で長生きできるように頑張りつつ、いつの日か再生医療などが進歩して、透析をしなくて良い日が一日も早く来ることを願っています。