57歳のある日、突然に両手と両足首より先が全く動かなくなり、痛みで眠る事ができずに、大学病院で受診。診断の結果は、全国で450人くらいしか患者さんのいない神経難病の「チャーグストラウス症候群」と言われ、さらに末梢神経に強いダメージを受けているので、回復は期待できないと言われ、正に私にとって、青天の霹靂(へきれき)でした。
1年近い入院で病勢を抑え、リハビリに励み、装具を着け杖で歩けるようにはなりました。
これまで人様にお世話されるのは苦手、世話させてもらう事を信条としていた私は木偶の坊になって先が見えなくなりました。その時「人」という字は支え合うとも読むという事を知りました。できない事は素直に甘えて手伝ってもらう事にしました。
この頃考え込む日が続き、イエス・キリストの夢を三度も見て、夫は教会に行く事で自分の心が癒されるのなら…と、日曜礼拝にしばらく送迎してくれました。
私にも何かできる事があるだろうかと模索している60代に強い貧血で倒れ、検査入院の結果、今度は血液難病で「マクログロブリン血症」という、聞いた事のない病名を患いました。三カ月間入院して抗癌剤や輸血で治療し、今は落ち着いています。五年生存率は六〇%ありますが、私の場合は発見が遅く、すでに三年が過ぎていると言われ、泣くに泣けない心情でもあり、今後の再燃は怖いです。他の人と違って血液の粘調度が強く手指の動き、機能を失っています。
さらに去年8月と、今年1月に抗生物質の全く効かない感染症になり、右手の指二本を第一関節から切断され、他の指も神経の後遺症で両手が使えません。足も不自由で自立は難しく、家族・友人・地域の人の温かい支援を受け、また夫には完全なる主夫をやってもらって、毎日が感謝、感謝「ありがとう」で一日が終わり朝を迎えています。
今は手にガムテープを貼ったりしながら施設で月2回ほど小さな音楽ボランティアをさせていただき、逆に元気と勇気をもらっています。振り返れば、なぜ私にいろんな病が追って来るのかなかなか受け止められませんでしたが、決して不幸だったとは思いたくありません。今は床の間のババ姫様でデンと構えさせてもらっています。
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