私が胃がんの開腹手術を受けてから早いもので、今年6月で5年を迎えます。

 それは突然訪れました。自分から「一寸調子が悪いから診療所に行ってくる」と軽い気持ちで内科を受診しました。そこでがんの告知を受けました。平静を装っていましたが、「がん」と言われて穏やかではありません。しかし、考えてみれば父親が胃がん、二人の兄が肝臓がんと大腸がん、上の姉が白血病といわゆるがんの家系でしたから私ががんになっても不思議ではありません。(すでに三人は他界)

 ただ、救われたのは、担当の先生から説明を受ける中で「あなたの胃がんは初期の段階(ステージ1)なので摘出手術をすれば治るでしょう。ただし、胃の上部と下部に二カ所できているので胃の全摘になります」と言われました。数日後、外科医のいる魚沼病院に入院をして病状の説明、入院診療計画、術前の検査など、さらに詳しい検査説明を受けました。

 手術後に図解で担当の先生から5年生存率95%、リンパ節に転移なしとのお話でしたので、後は合併症がでなければ2〜3週間で退院できるでしょうと言われ、安心してその日を待ちました。退院直前に栄養士さんの食事指導を受け退院の日を迎え、病院の玄関先で吸った外の空気のおいしさに健康のすばらしさを実感しました。

 手術前は、あれこれ考え不安にもなりました。

仕事、家族、かわいい孫のことなど精神的に落ち込む時期がありましたが、担当の先生や看護師さんの元気な声に励まされました。

 今回の入院・手術に際しては、担当の先生や看護師さん、その他多数のスタッフの皆さんのお力添えのチームワークで病気を克服することができました。

 お陰様で激減した体重も増え体調も良く元の身体に戻りつつあります。

病気をして思うことは、早期発見、早期治療の大切な事をしみじみ感じました。

 退院後、病院に「患者会」があることを知り勧められて入会しました。仕事の都合でなかなか参加できずにいましたが、地元開催の新年会に参加させて頂きました。飲むほどに、酔うほどに、歌があり、踊りありで大いに盛り上がりました。それぞれが大なり小なり病気をし、その病魔との戦いに勝利して、今この場所にいる皆さんの明るさや元気さ、仲間意識に私もパワーをもらいました。また機会があれば是非参加したいと思っています。