リハビリは、心身に障害を負い、家庭生活や社会生活(仕事や学校生活、地域活動など)を送ることが困難になった方々を対象としています。可能な限り身体機能、認知機能など失われた機能の回復を図りながら、残された機能を活用して、その人らしく豊かな暮らしができるよう、本人とその家族に対してさまざまな治療や援助を行っていきます。

 リハビリの専門職には、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がいます。

 理学療法士は、起き上がり、立ち上がり、歩行など日常生活の基本となる動作を獲得するために、体をスムーズに効率よく動かせるよう、治療・指導を行います。その方法として徒手療法や運動、電気や温熱などの器具を利用する物理療法があります。

 作業療法士は、トイレ、食事など、日常生活を送る上で必要な動作を実際の場面も含め、その人に合わせた練習を行います。さらに、残された機能を利用し、作業活動を通して、生活に必要な新しい技術を再学習する指導を行います。また、自助具の考案・作製や福祉用具の選定、生活環境の調整など、より自立した質の高い生活を送るための援助を行います。

 言語聴覚士は、障害により言葉がでにくい、相手の言っていることがわからない、新聞などを読めない、理解できないなど言語の問題がある方、口の動きなどが障害され、上手に話せないなどの「コミュニケーション」の問題に対してリハビリを行います。また、食べ物をうまく飲み込めない、むせるなど「食べること」に対しての、専門的なリハビリも行います。

 三職種は互いに協力し、話し合いを行い、一人ひとりに合わせたリハビリをすすめています。また、不安のない生活が送れるよう家族に対しても介護方法や家屋改修のアドバイスを行います。
 
刈羽郡総合病院 理学療法士 加瀬 哲