小さなころから父親の母に対する暴力や父親の借金生活を見ながら育ちました。その父親も悪友から暴力をふるわれたり、身につけている時計など金になるものを取り上げられたりしていました。

 そんな私も、人のことを悪く言えた立場ではなく、20代から大酒飲みでした。自分もそうですが、気の弱い人は酒で自分を強くしようとするのだと思います。今思うと、若いころ、あんなに酒を飲まなければ…と、後悔し、もったいない青春時代を過ごしてしまったと思います。手が震えるまで飲んでしまいました。

 結局、何だかんだ言っても、父親以上に酒を飲んだ自分が一番悪いと、この文章を書きながら、そう思いました。

 それから何年かして、とうとう父親も病気が出てきました。アルコール依存症や肝硬変。やせこけて、骨と皮ばかりの体になってしましました。やがて父親が亡くなり、母がよそへ嫁ぎ、弟も県外へ行き、家には私一人っきりになってしまいました。仕事が終わって家に帰ると、一人ではつまらないことと、寂しい気持ちを紛らわせるために、自然と酒の量は増えていきました。

 そのうち自分も父親と同じようにアルコール依存症となり、さまざまな症状が出てきました。体がまったく動かないことや不眠症になり、5日間くらい眠れないこともありました。精神病は心の病ですから、何かきっかけがあれば、完治はしなくても、薬でかなりの回復ができると思います。

 病気だけで人生を無駄にはしたくありません。友達もほしい。彼女もほしい。それとある程度働くことも大事だと思います。今、十日町市の下条にあるきのこ工場で働かせてもらっていますが、それが何よりの張り合いになっています。多くの皆さんの後押しがあって、働けるのですが、それが自分にとって一番いい薬みたいなものになっていると思います。

 最後に、これからの夢ですが知り合って八年付き合っている女性がいて、彼女も自分を後押ししてくれる一人です。将来は、一緒になりたいと考えています。

 ここまでやってこれたのも、私を支えてくれている多くの方のおかげだと思っています。皆さんには、本当に感謝しています。ありがとうございます。