リハビリプログラムを集中的に
 刈羽郡総合病院に4月1日、回復期リハビリテーション病棟が開設されました。この新病棟はどんな病棟か、患者さんの早期の身体的回復を願って取り組んでいるスタッフを訪問しました。

 回復期リハビリテーション病棟は、脳血管疾患や大腿骨(太ももの骨)頚部骨折などの患者さんの寝たきりを防止し、家庭生活が安心して送れるように、それぞれの患者さんに合ったリハビリテーションプログラムを集中的に行う病棟です。

 45床の新病棟は明るく清潔で、開放感に満ちた造りです。専任の医師や看護師、介護員、理学療法士、作業療法士などが従事しています。

 笑顔いっぱいに迎えてくれた病棟師長の池田美鶴さん。

  「新病棟の特徴は、日中はパジャマでなく、私服に着替えるということでしょうか。生活にメリハリが出て意欲が出るのでしょう。日中のリハビリメニューばかりでなく、夜間のトイレ動作も含めて、歯みがき・洗面も、すべては生活のための動作を新たに獲得するための場所なのです」

 特にトイレ場所があちこちにあります。14カ所に便器の数にして25個。右マヒ用のトイレ、左マヒ用のトイレ、自力でできるようになるために、さまざまな造りのトイレがあります。トイレ動作ができるかどうかは患者さんにとって重大事です。

 「限られた人数で対応しなければならないので、朝のトイレ介助が一番大変です。転んでも骨折などの大事に至らないよう、毎日のケアを振り返り検討をしています。とにかく動いていただくための病棟です」と池田師長。

 開棟して2カ月経ち、スタッフからは「生活がリハビリになっている病棟なので、すごいスピードで回復されて行くのがわかります。患者さんにうんと近く接しているからでしょうか」「患者さんをみるのではなく、ご本人をご家族と一緒にみていける温かい親しみの持てる病棟です」

 ステーション内で記録していた手を休めて応えてくれた看護師の表情も明るい。

 ケースワーカーは、「自宅に近い環境の病棟なので、自然に自宅に戻る準備ができるのがいいですね」と。

 新病棟への入院は、院内の他病棟からの転床や、他病院からの紹介によるものです。

 自宅復帰、社会復帰に本当に必要な病棟と実感しました。 
(取材/佐野)