私が市の健康診断で糖尿病の疑いがあると診断されたのは、40代後半です。血糖値がかなり高く、病院での精密検査を勧められ、受診すると「食事制限するか、薬を飲むかしないと駄目です」ということになり、とりあえず食事制限を行いました。3カ月ほどで10`ぐらい減量したところ、体型が変わり、服が合わなくなり、自分の姿があまりにもみすぼらしく見えて、食が戻ってしまいました。案の定血糖値が上がり、とうとう薬を飲むことになりました。  

 それでも体に症状はなく、正直、糖尿病の恐ろしさは感じませんでした。そうこうしているうちに物が見えにくくなり、年のせいかと思っていました。しかし、診断は緑内障だったのです。今から二年前、当時の主治医に「もう限界です。インスリン治療にしましょう。ヘモグロビンA1cが11%を超えています」と言われ、糖尿病専門医に紹介されました。

「悪すぎる」と言われ
 専門医の第一声が「悪すぎる」という言葉でした。私もびっくりして、「ああ、私もこれで好きな事ができなくなるのだなあ」と思い、がっくりしました。しかし、先生は「大丈夫。私が治療してあげる。そのかわり、私の指示を守りなさい」と言われ、「ああ、まだ望みがある」と思い希望がわきました。その後検査入院し、ヘモグロビンA1cが七%位に下がりました。

 退院して2年あまりになりますが、先生の指示を守っているせいか、体調はすこぶる良いです。今では食事の量、食事時間、運動と全然苦になりません。一日三回のインスリン注射を始めてから家族(三世代同居)の協力に感謝しています。食事は妻が今でも計って盛り付けてくれ、食事時間も守ってくれます。子供家族は、私が大皿の盛り付けに手がでないよう、時間をずらして食事をしてくれます。

 運動は、散歩やスキーなどのアウトドア。荒れた日や風の強い日は、室内でクロスバイクを40〜50分くらいこぎます。 今、一番悩んでいる事は外出や旅行の時の食事です。これを何とかクリアしたいと思います。  私の病気を振り返ってみますと、一言で言えば「自己判断は絶対にやってはだめだ」ということを痛感しました。やはり先生の指示通りに治療することが、一番長生きできるような気がします。