ご出身は
 腰痛は誰もが一生のうちに何回かは経験する症状です。人間は他の哺乳類と異なり直立二足歩行をするために背骨が湾曲しているのですが、そのために腰骨にストレスがかかりやすく、それが腰痛を引き起こす一因とされています。腰骨にかかるストレスは、腰の周囲の筋力弱化・筋の短縮による姿勢の崩れにより、より強いものとなります。そのため筋力強化・ストレッチを行い、バランスのとれたよい姿勢を作ることで腰痛の予防効果が期待できます。この体操は腰の周りの
筋力弱化や・疲労からくる腰痛には有効ですが、腰骨の骨折などから来る痛みを改善することはできません。転倒して腰を打ったり、腰をひねったりしたなどで痛みが出ている場合は病院を受診しましょう。


@お尻の筋肉の強化

 (図1)…床に仰向けになり、ひざを立てて下さい。お尻の穴をすぼめるようにお尻の筋肉の力を入れ、ゆっくりとお尻を持ち上げる運動を5〜10回行って下さい。このとき腰は浮かないように気を付けて下さい。
Aおなかの筋肉の強化

 (図2)…床に仰向けになり、ひざを立てて下さい。おへそを見るように上体を持ち上げる運動を5〜10回行って下さい。
B股関節前面の筋肉に対するストレッチ

 (図3)…床に仰向けになり、片方のひざに手をかけて下さい。ゆっくりと鼻をひざに近づけ、呼吸を止めないようにして五つ数えて下さい。左右五回ずつ行います。
C太ももの裏とふくらはぎの筋肉に対するストレッチ

 (図4)…床に仰向けになり、運動を行う反対の足のひざを立てます。ひざを伸ばしたまま足全体を上げて下さい。その状態から足首を手前に返して、呼吸を止めないように五つ数えて下さい。左右5回ずつ行います。
D腰・背中の筋肉に対する ストレッチその1

 (図5)…椅子に腰掛けて、ゆっくりと上体を前に倒していき、呼吸を止めないように五つ数えて下さい。五回行います。
E腰・背中の筋肉に対する ストレッチその2

 (図6)…床に仰向けになり、片足を持ち上げます。足の重みで体をねじるようにして、呼吸を止めないようにして5つ数えて下さい。左右5回ずつ行います。
ご出身は
 中年以降にひざの関節痛を訴える疾患に変形性ひざ関節症があります。変形性ひざ関節症は、老化によって関節の軟骨が磨り減ることでひざに負担がかかり、痛みが出る疾患です。そのため体操の目的は、筋肉を強化することによって、関節への負担を減らすことになります。それには二つの方法があり、直接ひざ周囲の筋力強化を行うことがその一つです。二つ目は股関節周囲の筋力を強化することによって姿勢を整え、ひざにかかる負担を減らすという方法です。
@ひざを伸ばす 筋肉の強化

 (図7)…椅子に腰掛けて、ゆっくりとひざを伸ばす運動を20回行って下さい。このとき、最後まで伸ばしたら一度とめて、5つ数えてからおろして下さい。おろすときもゆっくりとおろすようにしましょう。力がついてきたら、足首に1kg程度のおもりをつけて行うとより効果的です(塩・砂糖などの入った袋などを手拭いで足首にくくりつけるなどして下さい)。
Aひざを曲げる筋肉の強化

 (図8)…床にうつぶせになり、ゆっくりとひざを曲げる運動を20回行って下さい。曲げたひざをおろすときにはゆっくりとおろすようにしましょう。
B股関節を曲げる筋肉の強化

 (図9)…床に仰向けになり、運動を行う反対の足のひざを立てます。ひざを伸ばしたまま、ゆっくりと足全体を持ち上げる運動を20回行って下さい。挙げた足をおろすときにはゆっくりとおろすようにしましょう。
C足を外に開く筋肉の強化

 (図10)…床に仰向けになり、ひざを伸ばしたまま、ゆっくりと足全体を横に開く運動を20回行って下さい。
ご出身は
 最初からがんばりすぎると続かなくなることが往々にしてあります。最初はちょっと軽いなぁ位から始めてみましょう。また、痛みの強いときには無理に運動を行わないで下さい。無理な運動は症状を悪化させることがあります。なお、骨折などからくる痛みを改善することはできません。そのような場合は、病院を受診して、医師の処方の下に行うことをおすすめします。