「俺は絶対にならない」―いやいつかは俺の所へ来るんじゃないか。
三年前より全身倦怠感と食事も満足に取れなく、点滴をする毎日が続いていました。それでも体力は落ちていく一方で、体のだるさから歩くことさえも困難な状態の時もありました。顔色も悪く仲間から、お前は死ぬんじゃないかと言われたこともあるほどでした。
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そしてとうとう血糖が600mg/dl代を越える値にて糖尿病と診断されて入院となりました。入院後すぐに検査をした結果レントゲンに影があるとのことで、長岡中央綜合病院を紹介されました。検査結果にて初期の胃がんと診断。幸い、次の日内視鏡をにてポリープ切除し二日間の入院ですみました。そして先生よりすべてきれいに取り除き、心配いらないとの事でした。
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あの時は一人じゃとてもいられなかった。体の震えがとまらず、頭が真っ白になった。一緒に受診してくれた友人がいなかったら、なにもできなかっただろうと胃癌と宣告された時のことを思い出し話をしてくれました。
八年前、末期の子宮癌にて妻を亡くし、今は一人暮らしの生活。月一回の定期受診は欠かさず、食事はカロリーには気を遣い宅配での食材やお惣菜など購入しています。「時々、仲間が食事を作ってもってきてくれる」と嬉しそうに語ってくれました。大好きだったお酒も今はもっぱら焼酎二杯程度。日本酒は飲みたいとは思わなくなったとのこと。
「血液の循環を良くして欲しい」といわれ、毎日のように仲間とともに十日町、中里、松之山方面へ温泉通いをして充実した日々を送っています。
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血糖測定は一日四回。寝る前にインスリンの注射があります。初めは仲間の前では恥ずかしくて血糖の測定ができなくて、洋式のトイレに入ることもありました。しかし、同じ糖尿病の仲間が目の前で血糖測定をしているのをみて、度胸がつきとても励みになりました。
今年三月の終わり頃、松之山温泉に行った時のこと。低血糖を起こし、救急車で入院。低血糖での入院はこれで三回目。注意はしているつもりだが、今は必ず飴玉と砂糖は、バッグに三つ位常備しています。空腹感、いらいらする時は飴玉をなめて対処しています。
糖尿病と診断された当時はなにをするにも気になり弱気になっていた。しかし多くの仲間が支えてくれたことで、ここまでやってこれたんだ。糖尿病とはずっと友達で仲良く付き合っていきたい。
「別れたくても、別れられないんだから」と、笑いながら根津さんは語ってくれました。
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(取材/富井) |
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